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グレゴリー・バーサミアン プロフィール
撮影:大高隆
ジャグラー(曲芸師)が空中に投げあげた受話器が,哺乳瓶,そこから飛び出したミルク,さいころ,骨へと次々にその形を変化させ,最後の骨がパラシュートに乗ってジャグラーの手元に受話器となって戻ってきます.輪になって,外側を向いて並んだ複数のジャグラーが,それぞれその場でおなじ動きを繰り返している様子は,どこか現実のものではないような,実体感のない映像のようにも見えます.
ジャグラーと空中に投げられる物体は立体でできており,大きな円筒形のフレームの周囲に等間隔でとりつけられ,暗い空間を高速で回転しています.連続写真やパラパラマンガのように,ひと続きの動きを分割して,それぞれの瞬間として作られた立体が,点滅するストロボ・ライトが照らされるとアニメーションと同様に動きのない物体に時間が与えられ,実在しない「動いている」光景に見えるのです.
ICCから制作委嘱されたこの作品は,バーサミアンにとって重要なテーマである,人間と機械の間にある希望と葛藤を表現した作品です.19世紀に発明された映像装置であるゾートロープのしくみを応用した立体的な彫刻によるアニメーションを一貫して制作するバーサミアンは,機械による反復と残像効果によって論理性や確実性から逃れた夢のようなイメージを作り出します.