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マヌエル・ロスナー プロフィール
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現実のICCにそっくりな展示空間内を,巨大な彫刻が,周囲のものを破壊しながら拡張していきます.これは,館内に投影された映像ですが,作品は,現実のICC館内を3Dコンピュータ・グラフィックスで再構築した「ハイパーICC」の中を拡張していくヴァーチュアル彫刻として制作されています.
ロスナーは,現実の建築物のイメージに巨大なヴァーチュアル彫刻作品を合成し,仮想の公共空間での制作を行なうなど,リアルとヴァーチュアルを横断する展示を行なっています.また,インターネット上の仮想のギャラリーの運営をはじめとして,これまでにさまざまなデジタル空間や仮想空間を設計し,デジタル・テクノロジーの発展がアートに与える影響を研究しています.
この作品は,近年制作しているカラフルなデジタル彫刻のシリーズで,コンピューター・グラフィックス特有の超現実的な質感をもったヴァーチュアルな彫刻を,デジタル動画と写真として現実空間に介入させる試みです.現実の展示空間とそっくりなヴァーチュアルな展示空間を作り,現実には存在しない作品を,仮想空間だからこそ可能な,現実空間ではありえないような展示方法で展開し,現実と仮想空間の新たな関係性を表現しています.また,そうした仮想空間における作品制作を通じて,私たちの現実世界とヴァーチュアルな世界との関係性を問い直しています.
今回の展示では,作品は「ハイパーICC」を飛び出し,東京オペラシティタワーの外観イメージに巨大な彫刻作品が合成された様子をウェブから見ることができます.
岩井俊雄 プロフィール
撮影:木奥恵三
白いマシュマロのような形をしたオブジェに組み込まれたモニターには,外部のカメラによって撮影された自分の姿が映っています.しかし,その姿は,波打つように,あるいはギザギザに変形したり,水平な細い線状に分断されランダムに揺れ動いたりと,動きに伴って変形していきます.よく見てみると,止まっているものは変化せずに,動くものの姿だけが変化していることに気づくでしょう.これは,ヴィデオ・カメラで撮影された映像をコンピュータに取り込み,一画面を再描画する時間を遅らせることで生じる効果です.たとえば,ヴィデオの映像は1秒に30枚の画像からできています.その,1枚1枚の画像を書き換える時間を遅くすると,その間に動いた位置の変化が画面に軌跡として表示されるのです.
鑑賞者は,ヴィデオ・カメラの前で変化する自身の画像がどのように変化していくのかを見ながら体を動かし,作品と対話をするように行為をうながされます.この作品は,メディア・アートの特徴的な要素のひとつである相互作用性,参加性を持った,インタラクティヴ・アートの代表的な作品です.
小鷹研究室 プロフィール
小鷹研理 プロフィール
《からだは戦場だよ(「おとなのからだを不安にさせるからだのイメージ」から)》2016年(参考図版)
名古屋市立大学大学院芸術工学研究科の小鷹研理研究室では,「からだの錯覚」を中心テーマとして,新しいメディア空間における新しい〈からだ〉のかたちを模索しています.
ICCキッズ・プログラム 2021「チューンナップ じぶんをととのえる」にひきつづき参加し,「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」では,物理的な光学現象から日用品を取り入れたVR装置までさまざまな素材や手法を駆使しながら新しい錯覚を考案してきた小鷹研究室のこれまでの活動の歩みについて概観します.とりわけ,2014年より5年連続で開催されたプロジェクトの成果展「からだは戦場だよ」(岐阜市)に焦点を当て,関連の映像素材などを紹介します.会期中に展示替えを行なうほか,ワークショップの開催も予定しています.