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ICC Annual 2022: Life / Likeness

「ICC アニュアル」について

ICCでは,年度を通じて開催する展覧会シリーズとして,「オープン・スペース」を2006年より開始しました.専門施設としてメディア・アート作品を実見できる機会を提供する,幅広い年齢層に向けた展覧会として企画された「オープン・スペース」は,メディア・アートにおける代表的な作品,同時代の技術を取り入れた作品,批評的な観点を持つ作品,新進アーティストによる作品,大学やNTTの研究所をはじめとする研究機関との連携展示で構成されました.

以降ICCは,「オープン・スペース」展を館の活動の基盤と位置づけながら,時代とともに更新される現代のテクノロジー環境における技術や社会と,それに伴って変化し続ける芸術表現による文化への理解を深めるための多様な活動を展開しました.

今年度より始まった「ICC アニュアル」は,2021年度まで継続した「オープン・スペース」展のコンセプトを継承しながら, 6ヶ月間の長期展示としてリニューアルするものです.「ICC アニュアル」は,毎年テーマや展示内容を変えて開催するグループ展として,また,展覧会の形式や構成もフレキシブルに変わっていくことを念頭に入れた枠組みを構想しています.その時代のテクノロジー環境やメディアの状況を,メディア・アート作品をはじめとする多様な表現や展覧会テーマによってとらえ,新しいメディア・テクノロジーの動向やそれがもたらした環境に触発され,更新される,私たちの意識のありようや,現代の社会におけるテクノロジーのあり方を,別の見方でとらえていきます.

今後のICCは,「ICC アニュアル」展や企画展,映像アーカイヴ「HIVE」,オンライン・プラットフォーム「ハイパーICC」,さらにアーティストや有識者を招いたトーク,シンポジウム,ワークショップ,作品解説ツアーなどの関連イヴェントなどを通じて,より現在の状況を反映した科学技術と芸術文化のあり方を考えていく場として活動していきます.

ハイパー展示

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開催概要

会期:2022年6月25日(土)—2023年1月15日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーB ,ハイパーICC
開館時間:午前11時—午後6時
休館日:月曜日(月曜日が祝日もしくは振替休日の場合翌日), 保守点検日(8/7),年末年始(12/26-1/4)

入場料:一般 500円(400円),大学生 400円(300円)/高校生以下無料
(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
*( )内は15名様以上の団体料金
* 身体障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下,ICC年間パスポートをお持ちの方は無料

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:フリーダイヤル 0120-144199
URL:https://www.ntticc.or.jp/
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分

* 諸事情により開館時間の変更および休館の可能性がございます.最新情報はウェブサイトなどでお知らせします.

お問い合わせ:

TEL:0120-144199(フリーダイヤル)
WEB:https://www.ntticc.or.jp/ja/about/visit/contact/inquiry/


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生命的なものたち

現前しないものを目の前にあるように感じさせる「テレプレゼンス(遠隔現前技術)」は,メディア・アートにおいても主流のテーマのひとつとなりました.「媒介するもの」を意味する「メディア(media)」の単数形である「メディウム(medium)」には「霊媒」という意味もあるように,テレプレゼンスは「見えない幽霊的なものを現前させる技術」とも言われ,先行する電話やテレビなどの通信技術にも内在する性質でもありました.

現在の私たちの生活環境には,人工生命(ALife),人工知能(AI),ブロックチェーン,NFT(非代替性トークン),メタヴァース,スマートシティなど,コンピュテーショナルなテクノロジーがもたらしたシステムがさまざまな形で実装されています.そういったシステムは,もはや人間が行なう入力に単純に反応したり,人間の作業をそのまま模倣し高速化してくれるだけではなく,それ自体が自律的にふるまい,人間とはまったく異なるやりかたで問題を解決するなど,システムそれ自体が「生命的」なものとなっています.

さらに,現在構想されている,人間とロボットが同じように世界を認識すること可能にするための情報基盤としての「コモングラウンド」では,フィジカル空間のさまざまな事象をデジタル情報として扱うことで,私たちの暮らすフィジカル空間と情報世界が,よりシームレスに浸透しあうシステムの実装が目指されています.
また一方で,自然の現象に見られる再帰性や偶然性を読み解き,自然のメカニズムを解析することで,テクノロジーの側からもうひとつの自然をシミュレーションし,新しい生命のあり方を定義することや,自然や生命,ひいては私たち自身をとらえ直すことが可能になっています.

「ICC アニュアル 2022 生命的なものたち」では,「生命的なシステム」としてのテクノロジーが社会に実装されつつある現在において,そうした「生命的なものたち」がどのように媒介者として存在するのかに着目します.「生命的なもの」に向かっていくテクノロジー環境は,私たちに人間中心的な思考からの脱却をうながし,その射程を私たちが存在しない(かもしれない)未来へと,より大きなスケールで捉える,巨視的な思考に導くものとなっています.

人類のタイムラインを超える射程を持った思考は,これからのテクノロジーのあり方にも影響を与えるでしょう.展覧会は,デジタル技術や自然の現象から生み出された,生命的なシステムを内在し始めたテクノロジーとの相互的なフィードバックによって生み出された作品,気候変動やジェンダーなどの社会的な問題,NFTやメタヴァースなどの同時代的な技術動向にインスピレーションを受けた,広がりのあるテーマをもった作品の数々によって,これからの社会のあり方について考えます.

畠中実(ICC主任学芸員)

キュレーション:畠中実
キュレトリアルチーム:指吸保子,鹿島田知也
ハイパーICC共同キュレーション:谷口暁彦
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